多重比較手法の選び方

いつでも使えるが、検出力は低い(有意になりにくい)方法

Bonferroni(ボーンフェローニ)の方法は、2群の検定をたくさん行った後、そのP値の判定基準を補正する方法なので、2群の検定方法がそのまま使える。ただし、群が増えると有意水準が厳しくなりすぎて有意になりにくい。

ボーンフェローニの補正は一番有意差が出にくい手法なので、この方法で有意なのであれば、それ以上複雑なことをやる必要はない。

もう少し検出力が高い

もう少し検出力が高い方法としてはTukeyの方法Dunnettの方法とそれのノンパラメトリック版のSteel-Dwassの方法Steelの方法がある。

パラメトリック法(正規分布)ノンパラメトリック法(非正規分布)
全群の組み合わせTukeyの方法(分散が等しい)
Games-Howellの方法(分散が異なる)
Steel-Dwassの方法
対照群とそれ以外の組み合わせDunnettの方法Steelの方法
各群の順序が分かっているWilliamsの方法Shirley-Williamsの方法

その他

なお、Scheffe法による線形対比は、複数の群を任意にグループ化して検定を行うことができる点で、どの検定とも違う分析ができる。

対馬(2007).SPSSで学ぶ医療系データ解析 p158

山内(2008).心理・教育のための分散分析と多重比較