RCTにおけるベースラインの検定は必要か?

新谷歩(2011). 今日から使える医療統計学講座【Lesson7】RCTにおけるデータ解析 では、介入前(ベースライン)における介入群と非介入群の検定は必要ないとされている。

ある集団をランダムに2群に分けたのだから、通常の検定のように母集団に違いがあるかをみる必要はない。偶然に差が発生した確率をみているだけである。つまり、20回に1回(5%)ぐらいの確率で有意差が出ることを確認しているだけである。

P値を求めることは無意味とは思わないが、有意差の有無という視点ではなく、偶然に生じた差はどのぐらいか、また、実値の違いは結果にどの程度影響を及ぼすかという視点で評価すべきである。

もし差があった場合には、層別に分析したり(Mantel-Haenszel分散分析)、重回帰分析など交絡を調整する分析方法で分析すると良い。

参考文献

新谷歩(2011). 今日から使える医療統計学講座【Lesson7】RCTにおけるデータ解析