ノンパラメトリック相関係数

なぜこれらの相関係数を使うのか

質問紙調査でよく使われる5件法は、順序尺度であって間隔尺度ではありません。したがって、原理的には足し算、引き算をしても意味のある値は求められず、平均値を求めることもできないとされます。(平均値を使って求める必要がある)相関係数も本来は計算できないはずです。

しかし、現実には、5件法の点数を間隔尺度とみなして、相関係数を計算し、因子分析や共分散構造分析などの多変量解析をやってしまっています。他に替わる方法がないのでそれでもよいとされてきたのです。

最近、5件法などの順序尺度を使って、より正確な相関係数を分析する方法がでてきました。これらの相関係数を用いて因子分析や共分散構造分析を行えば、上記のような問題は生じず、どうどうと結果を発表できるのです。

順位尺度とどう違うのか

ノンパラメトリックの相関係数には、スピアマンやケンドールの相関係数があります。 これらは、順位の大小を用いて相関係数のようにみえる数値を計算しているにすぎません。したがって、ピアソンの積率相関係数とは異なる数値が計算されます(スピアマンとケンドールの相関係数もまったく一致しない。)

一方、質問紙調査の5件法は、順位尺度ではありますが、その背景には連続量としての値があると仮定することができます。そこで、この背景にある連続量の値を想定して、相関係数を求めようとするのが上記の方法です。

文献